問題点・導入の目的 震災をきっかけとしてデータセンターを活用
元旦ビューティ工業株式会社(以下、元旦ビューティ工業)は、主に学校・教育施設、文化・スポーツ施設などの公共施設における金属屋根、太陽光発電などの製造販売及び設計施工を請負っています。基幹システムであるIBM iは主に販売管理、生産管理を中心に活用、情報システム部門は少人数体制で基幹システムの運用からエンドユーザー対応まで行っています。
元旦ビューティ工業は、2011年3月の東日本大震災の経験を通し、事業継続の観点からその2か月後の5月には、神奈川県藤沢市の本社から大阪のデータセンターにIBM i ならびに各種ファイルサーバーをスピード移設し運用を開始しました。
その当時のことを管理本部 総務グループ 情報システムチームの光永大祐氏は言います。「当時契約していたデータセンターはコロケーションのようなサービス形態でした。そもそもIBM iに詳しい技術者もいなかったため、障害時に担当者に連絡をしても"この画面を見てください""画面はどんな状態ですか?"といったやりとりをしなければならず、それでもなかなか意思疎通ができない状態でした。」
解決方法の検討、決定/ベル・データからの提案 クラウドを利用したバックアップ体制の構築
IBM i全般に対してのサポート体制への不安もあったため、ベル・データのサポート体制、実績を評価しIBM iの機器のリプレイスはベル・データに決定していました。光永氏は言います。「リプレイス作業のための下見で、ベル・データさんと当時のデータセンターを訪れました。その時にIBM i のアテンションランプが点灯したままになっていたのですが、それにいち早く気が付いてくれたのがベル・データさんでした。」このようなデータセンターでの経験や、スムーズに行われたリプレイス作業、ベル・データのデータセンターでは、オペレーターではなくIBM iの技術者が常駐して運用を行っている点を評価し、2015年6月に、IBM iをベル・データの大阪データセンターに移設しました。
更にその2か月後の2015年8月には、事業継続性を強化するためにIBM i のバックアップ機としてベル・データの東京データセンターにおいてIBM iのクラウドサービス:Power-Cloud for i の契約に至りました。光永氏は言います。「3.11の震災のこともあり、社内では事業継続に関しての関心は益々強くなっていました。
IBM i がどれほど堅牢であっても、遠隔地にバックアップ機を用意して事業継続ができるよう備えるべきであるということです。 ただし、その体制のためにIBM iを1台追加でバックアップ用として購入しなければいけないとなるとコストの面では非常に難しい。しかし、Power-Cloud for iであればクラウドサービスの特性を活かし、自社で資産を持つ必要もないですし、使いたいタイミングでスピーディーに使い始めることができるということが導入においてのポイントでした。」また、管理本部 総務グループ情報システムチーム チームリーダー 田中伸典氏は言います。「災害が起こり、Power-Cloudを実際に使わなければいけなくなる状況は望んでいませんが、Power-Cloudは価格的にも安価で、事業継続という観点から見れば十分にペイしていると思います。」
導入成果・現状 日々の運用負荷をハウジングで軽減
本番機をハウジング、バックアップ機をクラウドといった形で活用する、このように自社でハードウェアを持たなくなったことで、運用負荷が大きく軽減されていると言います。「情報システム部門は基幹系システムだけでなく、社内のITに関わる様々な運用に関わる必要があるため、それらを2人で対応するのはかなり難しい状況でした。IBM iをハウジングすることで死活監視やメッセージ監視など基幹系の運用管理の手間を減らすことができ、 なんとか全体を2人で見ていけています。」と田中氏は言います。 更に光永氏は言います。「BOMS、安心パックというメンテナンスサービスの契約もしているのですが、先日IBM i にワーニングが表示されたことがありました。そのことに社内で気が付き、対応を開始した同じタイミングでベル・データのサポートセンターから保守の連絡がありました。この経験によって監視機能が実際に機能していて、ベル・データ内で直ぐに対応が取れる体制になっているのだと実感ができました。」
将来展望・今後の課題 情報システム部門を戦略的運用部門に
「IBM iというハードウェアが素晴らしいことは理解している。」と光永氏は言います。それを踏まえ、今後はオープン系のOSを導入してみるなど、もっと違った使い方、IBM iの可能性も探っていきたいと言います。一方、田中氏は基幹系のIBM iは今後の検討対象になるかもしれないが、自社で資産を持たない形、つまり クラウドの活用を促進していきたいとのこと。ハウジングという形でIBM iの管理からは手が離れたものの情報システム部門が管理している資産は未だ多数あり、運用管理負荷の軽減は大きな課題となっています。今後も少人数で情報システム部門を戦略的に運用していくためには、手間のかかる部分をどれだけ減らして "考える仕事"ができるか、"本来の業務"に注力できるかがポイ ントだと言います。
お客様プロフィール
この事例の製品・サービスの詳細
ハウジング
お客様の重要なシステムを、安全性と信頼性を追求した万全の設備でお預かりいたします。
PowerクラウドNEXT
ベル・データ(株)と日本情報通信(株)が共創する日本最大規模の IBM Power クラウドサービス日本最大規模の IBM Power クラウドサービス
BOMS
窓口一本化されたサービスデスクで専門のスタッフがお客様システムの監視、運用、障害時の切り分けまでを支援いたします。
安心パック for i
IBM i ( AS/400) の技術支援サービス
DR Manager
DB 複製に特化することで、安価に HA 自動運用環境を構築できます。
「アウトソーシング」の他の導入事例
村岡食品工業株式会社
システム管理者の後継問題をクラウド+運用保守で対応
千葉県酒類販売株式会社
IBM i の可用性を高め止まらないサービスを提供
株式会社たねや
24時間365日稼働のECサイト、安心・安定的な運用をハウジングで
ナガセ医薬品株式会社
人材不足、TCO削減という課題を解決、さらに効率、安定性、利便性の向上も