問題点・導入の目的 24時間365日、IBM iが稼働できるシステム環境を準備したい
1953年設立の千葉県酒類販売株式会社は、酒類・食品の専門商社 として「信用」を第一に、地域に根ざした営業活動を展開して います。情報システムは汎用機からスタートし、1994年にIBM i (AS/400)へ切り替え、当初は業務に応じてIBM i とクライアントサーバーを併用し、分散システム的な運用形態を取っていましたが、2002年から徐々にIBM iを基盤とした集中システムへ移行 していきました。受発注業務、入出庫業務、倉庫での5250エミュレータ―を搭載した無線ハンディーターミナルによる検品、日報の出力や月次の請求処理など、ほぼ全てをIBM iで行っています。これらの仕組みは社内のエンドユーザーが利用するだけでなく、 お取引先ユーザーもエントリーするため、24時間365日、安全、確実にシステムが動いていることが求められています。
今回、プライベートクラウドの導入を検討するに至った主な理由は、IBM iのバックアップシステムが同じビル内にあり、災害に対しての備えが十分にできていない点でした。それに加え、バック アップ環境の構築時にレプリケーション目的で導入をした、ある HAソフトが上手く動作せず、データの受け渡しはFTPを使用して行っているという点も課題でした。管理部情報システム課長 岩井浩一氏は言います。「大きな問題はバックアップの仕組みが 同じ建屋内にあるということでした。建屋が火事になったり、水を被ったりしたら本番機もバックアップ機も同時に影響を受けてしまう。2011年の東日本大震災では、建物もIBM iも大きく揺れ、 不安も感じましたが、どちらかというとその後の計画停電の方が問題意識を大きくしました。このあたりのエリアは計画停電の対象にはならなかったのですが、実際に対象となった場合、IBM iでほぼ全ての業務を行っているため、自社の全拠点からアクセスできなくなるだけでなく、お取引先様にも大きな影響が出てしまいます。」 更に、年に1回行われる建物の法定点検も毎年負担になっていたと岩井氏は言います。「お取引先様の中には、24時間365日、昼夜 を問わずシステムを利用しているところもありますので、可用性をしっかりと担保しなければいけないと考えていました。」
解決方法の検討、決定/ベル・データからの提案 総合的な判断でプライベートクラウドを選択
IBM i環境の再構築にあたって、ベル・データを含め3社から提案を受けていたと言います。「1社はIBM iをリプレイスする提案で したが、トラフィックの増加に伴ってレスポンスが悪くなったと か、ディスク容量が不足してきたといった、機器をリプレイスしな ければいけない理由もありませんでしたし、もう1社はクラウドの提案だったのですが、レプリケーションの仕組みがかなり高額でした。一方、ベル・データは求めている要件を汲んで提案してくれましたし、クラウドやHAツール(DR Manager)の費用面においても魅力的でした。実際にデータセンターを見学をすることでファシリティ、セキュリティなど安全性が確保できている ところが確認できたことも大きかったと思います。営業さんの意欲的な姿勢、提案内容も評価できました。」
導入成果・現状 クラウドによって得られた安心感
IBM iの管理をプライベートクラウドへ移行したことによる運用面での大きな変化はありませんが、安心感は大幅に増加したと、 管理部 情報システム課の鈴木泰弘氏は言います。「以前は雨や雷が酷い時は、自宅にいても心配でした。岩井は、夜中でも自宅 からIBM iに接続をして稼働状況を確認していたほどです。今では データセンターで運用しているから大丈夫でしょう、と二人とも安心しています。」「もともとIBM iは壊れにくい機器ですが、極稀にベル・データのサポートセンターからエラーに関しての連絡 があります。普段はあまり意識することはないのですが、このような連絡をもらうことで、しっかりと監視してもらっていることがわかり、違う意味での安心感もあります。」
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将来展望・今後の課題 ユーザーリクエストに対応してきたIBM i の資産が最大の強み
今まではIBM iの導入に際しては5年のリースを基本に考えてい ましたが、情報システムをとりまく環境の早い変化にも対応する ために短期で契約でき、途中解約の仕組みも整っているクラウド を採用しました。一方、以前は情報システム部門の今後の在り方を考えていく上で、パッケージ製品の導入を検討した時期もありましたが、今はIBM iで構築したシステムの優位性を活かしていきたいと岩井氏は言います。「パッケージ製品は同業者も利用していることを考えても機能としては過不足なく揃っていると思います。しかし、ユーザーは細かいところにも拘りたいと思っていて、今まではフレキシブルに短期間で要望に応える形で開発を行ってきました。そのあたりが他社、パッケージ製品との大きな差別化となっている面もありますので、今後もIBM iで開発したシステム を強みにしていきたいと思っています。」
お客様プロフィール
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この事例の製品・サービスの詳細
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