IBM i(AS400)と
AWS間でデータ連携
ECサイトのオムニチャネルを支援
- DX
- 基幹システムとECのリアル連携
- AWSクラウド監視サービス
- アパレル・物流
事例のポイント
- IBM i(AS400)とAWS間でデータをリアルタイムに連携し販売可能在庫を最大化
- AWS上のデータベースを介して在庫状況を連携することでECサイトのオムニチャネルに
24時間365日対応 - 運用監視サービスを利用してシステムの状況を早期に把握
お客様の課題
アパレル物流大手のフロー・メイカーズホールディングス(HD)(https://flow-makers.co.jp/)のグループ会社である株式会社エムエルシー(以下、エムエルシー)は、倉庫管理システム、在庫統合システム、情報解析システムの3つをソリューションの柱にして、アパレル業界を中心に物流倉庫向けサービスを提供しています。2004年、エムエルシーは、IBM i(AS400)上にリアルタイムWMS(倉庫管理システム)を構築しました。そして、2006年に、ベル・データの協力を得ながら、倉庫在庫統合システムおよび出荷指示システムを構築しました。このシステムによって、それまでEC(電子商取引)サイト用や店舗用などに分けて物流倉庫内で管理されていた商品が同一場所の棚で管理でき、在庫している商品のステータスを考慮せずに物流倉庫側で作業できるようになりました。
2016年にエムエルシーは、リアルタイムWMSを利用している大手セレクトショップから、それまでECサイト用や店舗用などに分けていた物流倉庫の在庫をすべてECサイト用として販売できるようにしたいとの要望を受けました。大手セレクトショップからの要望は、物流倉庫内の在庫状況をAmazon Web Services(以下、AWS)上のECサイトにタイムリーに連携したいというものでした。エムエルシーは、IBM i(AS400)で管理しているデータをAWSに連携し、物流倉庫の在庫状況をAWS側に渡すようにしました。また、ECサイトからの在庫引当は、AWS側で在庫引当APIを作成して対応しました。エムエルシーで執行役員を務める池田大介氏は次のように話します。「このシステムは大手セレクトショップ向けの個別システムでしたが、アパレル業界の他企業にも同様の需要があるものと考え、システム化しようと思っていました。ちょうど同じ時期に大手ECサイトからオムニチャネルの支援に関する相談を受けました」。
課題解決のための選択
大手ECサイトのオムニチャネルを支援するサービスの提供では、これまでよりも扱うデータ量が増えることが想定されました。また、AWS側のインフラ構築、ネットワーク、サーバーといった広範囲にわたる技術、知識、実績が必要でした。社内の人材だけでは対応が難しいと考えたエムエルシーは、ベル・データに一括して支援してもらうことにしました。「今回のサービスでは、物流倉庫の在庫状況をタイムリーにECサイト側に渡す必要があります。そのためには、IBM i(AS400)側とAWS側がレスポンスよく連携しなければなりません。ネットワークも関わってきますので、トータルで支援してくれるベル・データにお願いすることにしました」(池田氏)。
導入のためのアプローチ
AWS上のデータベースを介して物流倉庫での在庫状況をECサイトと連携することで、ECサイトに24時間365日対応できるようになります。在庫状況を管理するIBM i(AS400)のDb2とECサイトを直接連携した場合、データベースの再編成などIBM i(AS400)側で作業が発生した際に、いったん連携を止めなければなりません。AWS上のデータベースを介することで、ECサイトとの連携をAWS側に任せ、物流作業が止まる夜間にデータベースの再編成やバックアップなどのIBM i(AS400)側の作業を問題なく実施できます。エムエルシーは、AWS上のデータベースを介した連携が障害発生時にも有効だと考えています。「このような構成にしたことで、万が一IBM i(AS400)側が何らかの原因で止まってしまっても、ECサイトに影響を与えることはありません」(池田氏)。
株式会社エムエルシー
株式会社エムエルシーは、倉庫管理システム、情報解析システム、在庫統合システムを手掛け、ITを駆使した物流改善提案を展開する株式会社フロー・メーカーズHDに属し、あらゆる業務システムの開発および運用を担っています。