大量のデータ処理に大きな威力を発揮
開発のコストや期間を大幅に短縮
- データ活用
- Excel
- 多言語対応
- フードサービスチェーン
事例のポイント
- IBM Db2など主要なデータベースに対応
- 大量データによるデータベースの更新を1クリックで実行
- 利用シーンや開発コストに合わせて使用
課題の解決
国内外食事業、海外外食事業、小売事業、介護事業の4つを柱にフードサービスチェーンを展開する株式会社ゼンショーホールディングス(以下、ゼンショー)は、国内外に10,000以上の店舗を有しています。この多数の店舗および事業自体を支えるゼンショー独自の仕組みがMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)です。MMDでは、食材の調達、製造、物流、そして店舗によるサービスのそれぞれの工程で食の安全を確保する取り組みが行われています。
現在、全国32箇所で食材の製造を担う自社工場がまだ10程度であった頃、ゼンショーは、生産管理システムを新たに開発しようと考えました。当時、各工場では、紙とMicrosoft Excel(以下、Excel)によって業務が進められていました。店舗や物流センターから各工場に食材の注文指示がFAXで届き、工場内ではExcelを使って実績が入力されていました。常務取締役 グループIT本部長の野々下信也氏は、次のように話します。「生産管理システムのユーザーインターフェースにはExcelがよいと考えました。Excelは、生産管理システムの構築以前から工場の従業員が使い慣れていました。また、大量のマスターデータや実績データの登録でも、表計算ソフトウェアにデータを入力して1クリックでデータベースを更新できれば効率がよいだろうと考えました」。ただし、当時、ゼンショーの要求を満足する製品は見当たりませんでした。
パッケージへの展開
利用可能なパッケージに
生産管理システムの評価が高くデータベースの更新スピードも速かったことから、ゼンショーは、他のシステムでも利用できるようにツールとしてパッケージ化することにしました。パッケージ化にあたって、発展や進化を意味する「evolution」から発想してパッケージ名を「EVOLIO(エヴォリオ)」としました。
EVOLIOは、大きく2つの要素で構成されます。1つは、アプリケーションのフォーマットを簡単にデザインし、検索、更新、ホストジョブを実行するためのExcelアドインです。もう1つは、データベースに対する検索、更新、ホストジョブの実行をサーバー上で定義するデータセンター設定ツールです。ゼンショーは、EVOLIOをIBM Db2に加えてMicrosoft SQL ServerとOracle Databaseに対応するようにしました。「IBMi(AS400)に加えて、社内にはオープンシステム系での開発も多数あるため、EVOLIOを3つのデータベースに対応させました。IBM Db2には、ベル・データ様の協力を得ながら対応しました」(野々下氏)。
データ処理へのこだわり
ゼンショーは、大量データを効率よく処理できることがEVOLIOの特徴だと考えています。「データベースに効率よくデータを収めるために、多数の列項目、大量の行で構成されるデータの登録であっても、1クリックで処理できるようにする。また、条件を入力したら1クリックですべてのデータを表計算ソフトウェアのシート全体に表示する。それも早い応答速度を保ったままで。これらの点にこだわりました。そのために大量データの表示や更新は、データ1件ずつでなく、データ全体で処理するようにしました」(野々下氏)。EVOLIOでのデータ更新は、すべてのデータ処理が正常に終了したかどうかで決まります。1件でもデータ処理に失敗した場合、すべてのデータ処理が行われなかったことになります。その際、エラーとなった箇所を修正することでデータ更新ができます。
株式会社ゼンショーホールディングス
国内の外食企業として売上高ナンバーワンの地位を確立するとともに、世界の外食企業のトップ10入りを果たしたゼンショーグループは、原材料の調達から製造・加工、物流、販売までのすべてを自社の管理下で行う、ゼンショー独自のMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)を構築し、安全でおいしい食を世界中の人々が手軽に食べられるよう努力しています。